前回花粉症薬の最適解を提案させて頂きました。
今回は、薬に頼るのではなく、根本的な解決策を1つご紹介します。そして今回のお話は、エビデンス(科学的根拠)のないものではあるということを念頭に置いて聞いて頂けたらと思います。その辺はご承知おきください。これを聞いて、最近体調がすぐれない人にとっても、試してみる価値は有ると思っています。では本題に移ります。
結論から先に発表すると、
「腸内環境を整える」です。
では解説します。
花粉症って一度罹ったらもう治らないと思いますよね?もしかしたら、あなたが普段行っている行動がアレルギーの原因になっていることも有るのかもしれません。というのも、腸内環境を整えると今あるアレルギー症状のほとんどが無くなる事が期待されているんです。対策は主に2つ有って、
1.酪酸菌を増やそう
2.小麦の摂取を減らそう
以上の2点が重要になります。
腸内環境を整えただけで本当にあの忌々しい花粉症が治るの?そう思いますよね?
まず「健康は1日にしてならず」。
これを飲めば花粉症が1発で治る。血圧が下がる。糖尿病が治る。なんてことは有りません。
でも、花粉症に関して言えば、先の2つを実践して症状が治まったという事例が報告されている様です。エビデンスが無いので、万人に聞くかは解りませんが、試してみる価値は有りそうですね。
腸内環境と花粉症の関係だけじゃなくて、実際どうすればよいかまで解説するので最後まで読んでいってください。
そもそもなぜ、日本では他国に比べて花粉症が多いのか?
日本は第二次世界大戦後高度成長に伴い、大量の木材を必要としていました。それに森林の復旧も必要だったから、スギやヒノキを大量に植えたのが原因とされています。
日本に飛散している花粉の約70%がスギ花粉です。じゃ、スギ花粉症の人が多いなら、スギそのものを減らせば解決じゃないの?と思うかもしれません。
しかし、直ちにスギやヒノキをばっさいしてしまうと林業として成り立たなくなるばかりか、山がはげ山になったら土砂崩れや、水害の原因になりかねません。
今現在、林野庁では「花粉の少ない苗木を植えよう!」という呼びかけを行っています。
そして今、「無花粉スギ」の開発が進められています。
大量の花粉の飛散が主な原因ではありますが、もう一つ原因があります。
それは、「日本人の免疫バランスの乱れ」と言われています。
そもそも花粉症は、「免疫の暴走」という私たちの体そのものにも原因があると考えられています。
体内に入ってきた花粉に対し、免疫が過剰に反応して起こるものです。
食生活やストレス、抗生物質の常用といったものと、中でも免疫と非常に関係が深いのが「腸内環境」です。
花粉症対策を「薬」ではなく、「腸内環境の改善」で行うと、症状が劇的に改善されると期待されています。
実際、花粉症で病院に行っても、抗ヒスタミンやステロイド点鼻薬を処方されますが、これらは治すのではなく、「アレルギー症状を抑える」対症療法です。
症状は和らいだとしても、根本を治すわけではないので、毎年薬に頼ることになります。
これからは、対症療法に頼らず、根本の原因の一つ、「腸内環境の改善」を行い、花粉症とおさらば出来れば良いと思います。
まず全身の免疫細胞の7割りが腸に集中していると言われていて、特に腸内の「Tレグ(制御性T細胞)」という免疫調節細胞が花粉やほかのアレルゲンに対して「過剰反応」しないように働いてくれているんです。
つまり、「腸内環境」を整えることが、免疫バランスを整えて、免疫反応が過剰になって起こる花粉症などの炎症を治すことに繋がります。
じゃあ腸内環境を整えるってどうやるの?
それが冒頭でお話した、「酪酸菌を増やす」と「小麦の摂取を減らす」ことが重要になります。
1.酪酸菌について
免疫調節細胞である「Tレグ」をサポートするのが腸内で生成される「酪酸」
酪酸を初めて聞く人の方が多いかもしれません。よく聞くのが「乳酸菌」じゃないでしょうか?
たしかに、乳酸も腸内環境を整える成分の1つですが、酪酸は、腸のエネルギー源でありながら、免疫の過剰反応を抑える作用もある短鎖脂肪酸の1つです。
短鎖脂肪酸には他にも酢酸やプロピオン酸があります。
これらのほとんどは腸の粘膜から吸収されて全身の運ばれて、腸、肝臓、筋肉、腎臓のエネルギー源や脂肪を作る材料になります。
一方酪酸は、ほとんど腸の粘膜上皮のエネルギー源になると言われています。
腸の粘膜上皮が必要とするエネルギーのうち、60~80%は酪酸が賄っています。
不足すると、腸から水分やミネラルを吸収する機能や、バリア機能の低下につながります。
さらに酪酸には、腸内環境を整えて、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が活動しやすいようにする役割まであるんです。
この酪酸をたくさん作るのが腸内細菌の「酪酸菌」です。
だから酪酸菌を増やして、腸内環境を整えて免疫機能を維持し、花粉症を改善するカギとなります。
じゃあ酪酸菌を増やすならどうすれば良い?
酪酸菌のエサになるのが、水溶性食物繊維や難消化性オリゴ糖になります。
中でもフラクトオリゴ糖は、酪酸菌を効率よく増やせると言われています。
また新しいのが出てきた…
フラクトオリゴ糖ってなに?
その他の糖は小腸で吸収されてしまうけど、フラクトオリゴ糖は大腸まで届いて作用してくれるのです。
フラクトオリゴ糖自体スーパーでも購入できますが、食べ物からも摂取出来ます。
ヤーコン(日本で見たことねー笑)、たまねぎ、ごぼう、にんにくに含まれています。
他にも玄米、もち麦は酪酸菌のえさになるので、積極的に摂取していきましょう。
注意点として、オリゴ糖にはガラクトオリゴ糖、イソマルオリゴ糖があるので間違えないようにしましょう!
2.小麦の摂取を減らそう
小麦を断つ、減らすというのも花粉症やアレルギーに非常に有効だと言われています。
小麦が「腸のバリアシステム」、「免疫反応」、「血糖値」などに悪影響を及ぼして、その結果花粉症やアレルギーを引き起こす可能性があるんです。
一つ目の「腸のバリアシステム」から解説すると、「リーキーガット」はご存じでしょうか?
リーキーガットは「腸漏れ」とも言われていて、何らかの理由で腸のバリアシステムが崩れて、本来腸内にあるはずの細菌や食物成分が臓器や血管に入り込んでしまう状態のことを言います。
臓器や血管に入ってしまうと、炎症やアレルギーの原因になって、花粉症になったりします。
リーキーガットの原因はさまざまですが、よく知られているのが小麦に含まれる主要たんぱく質「グルテン」です。
小麦には「グルテニン」と「グリアジン」が、含まれていて、水と結合すると「グルテン」になります。
体内に吸収されたグルテンは、消化吸収の過程で再び「グルテニン」と「グリアジン」に分解され、そのうちの「グリアジン」が腸の上皮細胞と結合すると、「ゾヌリン」というたんぱく質が過剰に分泌されて、上皮細胞と結合します。
そうすると形成されていたたんぱく質同士の結合がほどけて腸のバリアシステムが崩れていく仕組みです。
少し難しい言葉が並んで頭がパルプンテ(ドラクエ知らない人ごめんね)でしょうが、簡単に言うと、グルテンが分解されることで出来るたんぱく質が、腸の壁を脆くしてしまうんです。
小麦を摂取したからといって、必ずしもリーキーガットが起きるわけではないですが、日ごろの生活習慣や腸内環境によって発症してしまう恐れもあるので注意が必要です。
二つ目の「免疫反応」について解説すると、先ほど紹介した中に「グリアジン」というのがありましたよね?
この「グリアジン」が分解されると、たんぱく質断片の「ペプチド」になります。
このペプチドに対し、腸内で過剰な免疫反応を起こしてしまう人もいます。
過剰な免疫反応は花粉症だけじゃなくて、他のアレルギーを悪化させるおそれがあります。
あと、小麦に含まれる「グルテン」によって、自己免疫疾患の「セリアック病」が起きる可能性もあります。
この「セリアック病」によって、過剰な免疫反応が起こって、小腸の内表面を傷つけ、栄養素の吸収を低下させてしまいます。
日本ではあまり耳に入らない疾患ですが、欧米諸国では有病率が1%言われています。(日本の発症率は0.05%)
三つ目の「血糖値」についてですが、「グルテン」とはまた違った要因が関与しています。
小麦と血糖値の関係ですが、パンや麺などの精製された小麦粉は、血糖値を急上昇させてしまう恐れがあります。血糖値を上昇させる速度を示す数値「グリセミック指数(GI値)」を見ると、加工度の低い玄米や小麦、とうもろこしなどと比べて、精製された白米や白パン、加糖飲料はGI値が高いです。
こうしたGI値の高い食事による血糖値の急上昇は、体内に炎症反応を起こすリスクを高めます。
たとえ、健康診断で空腹時の血糖値が正常と判断されても、「血糖値スパイク」と呼ばれる「食後の急な血糖値の上昇」を起こすことはあり得る、という事に注意していきましょう。
特に、食後にひどく眠くなったり、疲労感を感じる人は、すでに血糖値スパイクが起きている可能性もあるので、GI値を見直したり、時間をかけて食事を取ることを意識しましょう。
血糖値スパイクが頻繁に起こると、花粉症などのアレルギー症状を悪化させる一因とも考えられます。
放っておくと、花粉症だけではなく、糖尿病や体の各部位の炎症、動脈硬化や心筋梗塞といった病気のリスクがあるので、注意しましょう!
小麦を断つとよいのは分かったけど、パンもパスタも好きだしどうしたらいいの?
答えは「和食中心」の食事スタイルを目指しましょう!
もちろん、和食でもうどんやそうめんなど小麦のものもあるので注意が必要です。
ご飯に納豆、お魚、漬物、みそ汁といったものを朝から食べるのも悪くないでしょう。
代用できるものは代用して「グルテンフリー」な食生活を目指していきましょう!
ただ、「完全に小麦は断つ!小麦を使ったものは食べない!」と、あまり極端に考えすぎないことが大切じゃないでしょうか?
その極端さがストレスを招きかねないので。
だから、極端にやめるのではなくて、出来ることから始めて、長く続けられるかがとても重要になっていきます。
以上、花粉症を治す習慣2選を実践してみてください。自分でも人体実験して、効果が出たときはまた報告させて頂きます。
今日が一番若い日。